楽天のベテラン久保裕也投手が“40歳1勝”を挙げた。前日29日に今季初めて1軍昇格し、この日が初登板。5回2死一塁で2番手として登場し、強打者マーティンを投ゴロに仕留めた。味方打線が6回に逆転したため、わずか9球で勝ち星がついた。まだまだ元気な松坂世代が、このところ疲れの見えてきた楽天投手陣の力となる。

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久保の今季初登板は難しい場面となった。5回2死から先発弓削が角中に四球を与えると、ベンチはすぐさま交代を決断。「(肩を)つくってくれという指示はきてましたけど正直、左(打者)でいくとは思ってなかった」という久保が指名された。

相手は第2打席で本塁打を打っているマーティン。しかも5球目に一塁走者角中に盗塁を決められ、2死二塁とピンチが拡大した。さらにその後、3連続ファウルで粘られた。だが最後は伝家の宝刀。9球目の129キロ高めフォークで投ゴロに仕留めた。「とりあえず最低限の仕事はできた。だいぶ粘られて、ピッチング的には苦しかったですけど、なんとか抑えられて良かったです」と笑顔で振り返った。

久保の好投が打線にリズムを呼びこんだ。楽天は6回に2安打と2四球を絡めて2点を奪って逆転。久保に今季初勝利がついた。久保は「今年はファームでも初登板(17日ヤクルト戦)で勝ち投手になったので、流れ的にすごくいい流れで入っていけた」と喜んだ。

数少ない松坂世代の1人。29日にはソフトバンク和田が今季3勝目を挙げ、不調だった阪神藤川も26日中日戦でリリーフで勝ち投手となった。久保は「同級生の活躍はチェックしてますし、僕もチームの勝ちにちょっとでも貢献できるように頑張ろうという気持ちになれるので、いい刺激になってます」。頼りになるベテランが、楽天ブルペン陣を活性化させる。【千葉修宏】

楽天三木監督(久保について)「本当に1点を争う中盤のところで、ベテランらしい投球をしてくれた。僕らが想像する以上にいろんなことを経験している、チームにとって貴重な投手。今日もあの場面で今季初登板ですごく難しかったと思いますけど、そこで結果が出せるのが素晴らしいと思う」