日本ハム大田泰示外野手(30)のバットが、上昇気流に乗ってきた。30日、オリックス9回戦(札幌ドーム)の3回に、今季本拠地初アーチとなる3号2ランを放った。6月25日楽天戦以来、実に119打席ぶりの1発。1回の先制打を含め2安打3打点と打線をけん引し、チームを今季初の3連勝へと導いた。

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大田らしい豪快な1発だった。4点リードの3回1死一塁。オリックス左腕・山崎福の投じた141キロ直球をフルスイングした。「ポイントも、意図するようなスイングが久々にできた。本当に久々です」。6月25日楽天戦以来、出場28試合119打席ぶりのアーチを左翼席へ描いた。

1回には先制パンチで打線に火をつけた。2死一、二塁の好機で右前適時打。「コースにも逆らうことなく、しっかりタイミングもスイングもよく、一、二塁間を強い打球が抜けてくれたのでよかった」。続く渡辺、横尾も連続適時打で続き、5安打4得点とビッグイニングの起点となった。

絶不調を経て本来の打撃をつかみつつある。6月26日楽天戦から5試合連続無安打と当たりが止まり、2度スタメン落ちも経験した。「気持ち的にも焦りだったり、悩んだりいろいろしましたけど、こうやって監督がスタメンで選んでくれて感謝している。使ってくれて結果を出すのが僕らの仕事なので」と、もう吹っ切れた。

栗山監督は、大田を含む渡辺ら主軸打者へ向け「いずれにせよ、そこが打たないとチームが勝たない」とさらなる活躍を期待した。今年初の本拠地ファンの前での1発に、大田は「やっぱり人が見てくれるというのはすごくありがたい。いいプレーを届けるというのが僕らの仕事なので。そこにチームの勝利があってファンが喜ぶ。本当に見に来てくれて感謝してます」。パワフルな打撃で元気を届ける。【山崎純一】