中日柳裕也投手(26)が復帰2戦目で復活勝利を挙げた。広島相手に7回2/3で4安打1失点。右腹直筋を痛め、約1カ月戦列を離れていた右の柱が完全復調をアピールした。

球離れが遅くて力強いストレートで押し込み、多彩な変化球でタイミングを外した。強打の広島打線を7回までに3併殺も奪い、打者22人で封じた。8回1死一塁から100球目を菊池涼に左翼フェンス際まで運ばれ、2年ぶりの完封劇こそ阻まれたが力感も安定感も抜群だった。

修正力も抜群だった。復帰初戦の5日DeNA戦は3回途中3失点降板。「変化球が多かったので、ストレート中心で組み立てようと思っていた。ケガで1カ月離れてしまったので1軍で投げて、チームが勝つ喜びを改めて感じました」と6月30日以来となる今季2勝目の味をかみしめた。

投げたい、投げ切りたいという思いが強かった。「大野さんが2試合連続完投した姿を見ているので、自分も続きたいと思ってました」。8回2死二塁。交代を告げられる際にはマウンドから一、二塁間の方面へと後ずさり。「最後までいけなかったので練習したい」と次回以降は完投への強いこだわりも見せた。昨年、チームトップの11勝をマークした4年目右腕にもう心配はない。5位広島に連勝し0・5差。最下位脱出へ大きな柱が戻ってきた。【安藤宏樹】

中日与田監督(柳の好投で広島に連勝。2カード連続勝ち越しに)「(柳は)本当に素晴らしいピッチングでした。先発ピッチャーも徐々によくなってきてますし、打線もワンチャンスをものにできるようになってきたので。これからですね」