日本ハム清宮幸太郎内野手(21)が楽天12回戦(札幌ドーム)で1発を含む今季初の猛打賞に、プロ初の4打点と大暴れした。

6回に右前適時打を放つと、7回には7月16日ロッテ戦以来となる4号3ランを右翼席へ突き刺した。若き大砲の活躍でチームは楽天6連戦を勝ち越し。再び貯金を1とし、25日からの敵地西武戦へと弾みをつけた。

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清宮らしい滞空時間の長い、高い放物線を描いた。7回2死一、三塁。安楽の146キロ直球を鋭く振り抜くと乾いた快音を残した。「良い感触でした」。打った瞬間、手応え十分の打球を右翼席へと突き刺した。7月16日本拠地ロッテ戦で放って以来約1カ月ぶりとなる4号3ラン。「打撃練習からも徐々に(当たりが)戻ってきていたので出てよかったです」と喜びをかみしめながらダイヤモンドを1周した。

チームのいい流れにしっかりと乗った。6回に前を打つ渡辺が均衡を破る先制の適時内野安打。「おかげで打席の中で楽に臨むことができました」と2死一、三塁から右前適時打。第1打席の中前打と合わせ3安打猛打賞と存在感を示した。

1回の守備では手痛いミスを犯していた。内野安打で出塁した楽天田中を一塁に置いた場面。先発のバーへイゲンが投じた何の変哲もないけん制球を後ろへそらし、二塁進塁を許した。幸い失点にはつながらなかったが、緩慢と言われても仕方のないプレー。「最近はもうミスばっかで、本当にたくさん迷惑かけている。その中でも本当にずっと使ってくださっているので、そこはもう感謝しかない」。下は向かず得意のバットで取り返した。

前日までの出場5試合で6打数無安打とバットは湿っていた。だが試合前練習から自分のスイングを、という意識だけは忘れなかった。小笠原ヘッド兼打撃コーチの身ぶり手ぶりを交えた熱の入った指導のもと、連日早出で練習をするなど振り込んだ。「日々積み重ねることで、だんだん身についてくるものでもあると思う。本当に地道にやるだけ」と少しずつ手応えを感じている。

栗山監督は「本当にこれは普通なので、普通にやれば、こういうふうな結果になると信じてやっている」と今以上の活躍へ期待を込めた。清宮も「今シーズンまだまだ貢献できていないので、こういう試合をもっと増やしていければ」とさらなる活躍を誓った。【山崎純一】

○…清宮が異色のコンビでカメラ目線を決めた。本塁打を放った打者がベンチ前で祝福を受けた後、真顔でカメラに写り込むチームで恒例となったパフォーマンス。これまでは控えの選手とコンビを組むことが多かったが、そこにいたのはブルペン担当で普段ベンチにはいない武田投手コーチ。「後ろ姿でよくわからなくて。近づいていったら勝さんでした。誰かな?と思っていたんですけどまさか…」と笑いをこぼした。

◆日本ハム清宮の猛打賞と打点 清宮が初めて1試合3安打を放ったのはプロ1年目の18年8月25日の楽天18回戦(札幌ドーム)。6番指名打者で出場して5打数3安打。あと二塁打が出ればサイクル安打だった。翌26日の同19回戦でも2試合連続の猛打賞を記録しており、今回が約2年ぶり3度目となる。これまでの1試合最多打点は3。18年8月22日のソフトバンク21回戦(東京ドーム)を始め、過去4度ある。最近では19年9月24日オリックス23回戦(京セラドーム大阪)。