オリックス山本由伸投手(22)が、連続イニング奪三振を日本人最長の「25」に更新する快記録を打ち立てた。これまでは1968年(昭43)江夏豊(阪神)らの23が最長だったが初回からエンジン全開。栗原を斬って江夏に並ぶと2回は甲斐と牧原、3回はグラシアルを仕留めて達成した。

山本 全然、意識はなかった。試合が終わってから(記録に)気づきました。

真っすぐと多彩な変化球を自在に操った。初回は栗原をフォークで空振りさせ、2回1死一、二塁は甲斐をカーブで見逃し三振。江夏らを抜いて24イニング連続とした。3回にグラシアルから奪った空振り三振もフォークがさえた。「自分の投球スタイルは打たせていくイメージ。そのイメージを間違えないように」。投球スタイルを見失うことなく、快挙を成し遂げた。

4回に3連続四球などで制球を乱し、記録はストップした。5回に柳田の犠飛とグラシアルのソロで均衡を破られ、結果は6回4安打2失点。自身最多の1試合5与四球も与えて千賀より先に降板し、2個目の黒星がついた。奪三振記録を喜ぶことはできなかった。

山本 今日みたいな投球をすると、千賀さんが相手だと勝てるわけない。もっと負けない投球ができるように。悔しい気持ちは受け止めて、来週は勝ちたい。

打線は2安打無得点に終わり、新生中嶋オリックスの連勝は3で止まった。中嶋監督代行は「(山本は)苦しい中でも2失点というのは彼の力。援護できなかったことが全て」と山本を責めることはなかった。チームは12球団最速で自力優勝の可能性が消滅。だが指揮官は前を向いた。「優勝マジックと一緒で、ついたり消えたりするもの。終わったわけじゃない。最後までやるだけなんで、本当に」。山本の快挙を、反攻の力に変えたい。【真柴健】

▼オリックスの自力優勝の可能性が消滅した。オリックスは残り63試合に全勝しても、82勝34敗4分けで勝率7割7厘。 ソフトバンクはオリックスとの直接対決残り11試合に全敗しても、他球団との52試合に全勝すれば84勝34敗2分けで7割1分2厘となり、オリックスを上回るため。