60回の都市対抗出場経験を誇り、昨年の同大会8強の強豪・日本生命が、創部7年目のカナフレックスに延長12回タイブレークの末に敗れる波乱となった。

今季初となった公式戦。4投手が計23安打を浴び、十河章浩監督(53)は「予想以上に打たれたのが一番の感想。うちの投手に余裕がない感じがあった。抑えなあかんというのが裏目に出たと思う」と肩を落とした。

初回に4点を先制。主導権を早くも握ったかに見えたが、3回に4本の長短打を浴び一気に同点とされた。相手打線の粘りをくらい、4回に勝ち越され、5回終了時点で被安打11。4点差がついた9回に追いつく意地を見せたが、延長10、11回とも三塁まで走者を進めながらも決定打が出なかった。2点を勝ち越された後の12回裏、1死満塁としたが、最後の打者が遊直併殺に倒れ、逆転はならなかった。

日本生命は、出場権をかけて第4代表決定戦に回る。指揮官は「神様に与えられた試練だと思って、全員で乗り越えます」と話した。

プロ注目の4番・越智達矢外野手(24=明大)は、2打数1安打2四死球。3回1死から左越え二塁打を放ったが得点には結びつかず「勝ちにつながらないと意味がない。チームに勢いを与えられるプレーをしていきたい」と巻き返しを狙う。明大時代、4年春にベストナインを獲得した右の長距離砲。今年がドラフト解禁年となるが「(プロへの)気持ちがあるけど、予選を勝つことだけを考えて、そこで評価していただけたらありがたいです」とまずは足下を見つめた。

◆越智達矢(おち・たつや)1996年(平8)7月8日生まれ、愛媛県出身。東予西中から丹原高に進み、高校通算47発。明大では4年春にベストナインを獲得。日本生命では、入社1年目から4番に座る。178センチ、83キロ。右投げ右打ち。