関甲新学生野球の秋季1部リーグは5日に開幕する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で春季リーグは中止。今年初のリーグ戦を迎える新潟医療福祉大、主将の笠原遥也二塁手(3年=日本文理)にとっても、就任後の初陣になる。待ちに待った開幕カードの作新学院大戦に、パワーのすべてをぶつける。
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強烈なリーダーシップを発揮して笠原はチームを勝利に向かってけん引する。優先的に考えるのは、個人成績よりチームの勝利。「キャプテンとして先頭に立って試合に臨みたい。自分の結果がどうであれ、下を向かずにチームを鼓舞したい」。部員数180人。大所帯をひとつに束ね、全員の意識も勝利へひとつに導く。
鵜瀬亮一監督(40)は「全体を見渡す力、人を巻き込む力がすごく強い」と、笠原の資質を見抜いて主将に指名した。13年創部の新潟医療福祉大硬式野球部の6代目主将だが、県内出身選手は初の就任。主将就任した6月23日からチームの新しい色も出してきた。エンドランなどで足をからめる小技を駆使した野球だ。「変わった医療福祉の野球を見せたい」と話した。
昨秋のリーグ戦で9番打者としてレギュラー入り。だが、山梨学院大戦で左手首に死球を受けた負傷の影響で規定打席には「1」足りない30打席にとどまった。その悔しさを胸にバットを振り込んできた。もちろん、同時にチームへの貢献も思い描いてきた。「自分が機能して上位打線につなげたい」と言った。
今秋からリーグ戦の運営方式が変更される。従来の3部制から2部制に再編され、新潟医療福祉大が入る1部リーグは6大学から8大学に増加。4大学ずつのディビジョンA、Bに分かれ、新潟医療福祉大は同Bに入った。2回戦総当たりの勝率制で上位2位までがチャンピオンシップラウンド、下位2大学はレギュラーラウンドに回る。笠原は「チャンピオンシップラウンドに進まなくては意味がない。まず最初の試合に勝つ」と開幕カードへ、勝利だけを見ていた。【涌井幹雄】
◆笠原遥也(かさはら・はるや)1999年(平11)4月3日、新発田市生まれ。豊浦中-日本文理。中学時代は新発田リトルシニアに所属。高校3年の夏甲子園では1回戦の鳴門渦潮(徳島)戦(9○5)で2回に2ラン本塁打。171センチ、74キロ。右投げ左打ち。血液型B。
◆1部リーグ運営変更 6大学で実施してきたリーグを8大学で実施。8大学は昨秋季リーグ1部6大学と、同2部の上位2大学。8大学はディビジョンA、Bに分かれ「ファーストラウンド」を行う。各ディビジョン上位2大学の計4大学でチャンピオンシップラウンド(2回戦勝率制)、3、4位大学の計4大学でレギュラーラウンド(同)を「セカンドラウンド」として実施する。レギュラーラウンド最下位は2部に自動降格となり、2部1位と入れ替わる。
ディビジョン分けは【A】白鴎大(1部1位)山梨学院大(同3位)平成国際大(同5位)関東学園大(2部1位)【B】上武大(1部2位)新潟医療福祉大(同4位)作新学院大(同6位)常磐大(2部2位)。※( )内は昨秋成績