巨人が9日の中日戦(ナゴヤドーム)に勝ち、原辰徳監督(62)は13年に死去した川上哲治監督と並ぶ監督通算1066勝目をつかんだ。坂本勇人内野手(31)が3本塁打で花を添えた。

原監督は、ヘッドコーチだった01年秋に、長嶋監督の後任として就任。「V9」を達成した大先輩が持っていた監督通算勝利数の球団最多記録に並んだ。2度の3連覇を含む8度のリーグ優勝、3度の日本一を達成し、14年目の今季もセ・リーグ首位をひた走る。伝統を受け継ぎ進化させ、名将の道を歩む。歴代の通算勝利数では11位タイとなった。

▽巨人坂本(3打席連続本塁打を放つ)「(3連発は)初めてです。うれしいです。(原監督は)僕は19歳の頃から偉大な監督の下でプレーできていることをうれしく思っています」

◆原辰徳(はら・たつのり)1958年(昭33)7月22日、福岡県生まれ。東海大相模で甲子園4度出場。東海大を経て80年ドラフト1位で巨人入団。1年目に22本塁打で新人王。83年打点王、MVP。ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞2度。95年に引退し、99年にコーチで巨人復帰。02年監督就任し、日本一。03年退任も06年復帰し、2度のリーグ3連覇。15年退任し、19年に3度目の監督就任。09年WBCでは日本代表を率いて世界一。02、09、12年正力松太郎賞。18年野球殿堂入り。180センチ、86キロ。右投げ右打ち。

◆川上哲治(かわかみ・てつはる)1920年(大9)3月23日、熊本県生まれ。熊本工では甲子園準優勝2度。38年巨人入団。投手から一塁手に転向し、39年に史上最年少の19歳で首位打者。現役時代の主なタイトルは首位打者5度、本塁打王2度、打点王3度。MVP3度、ベストナイン10度。58年引退し、2年間のコーチを経て61年巨人監督就任。65~73年に「V9」を達成するなど、歴代最多の日本一11度。背番号16は永久欠番。65年野球殿堂入り。13年10月、老衰のため死去。現役時代は174センチ、75キロ。左投げ左打ち。