日本ハム上原健太投手が快投報われず、今季初黒星を喫した。0-0の9回。先頭川島への四球から、歯車が乱れ始めた。

「完全に意識しました。直球でいったら、バットが出てくれたかな」。昨季4安打3打点と打ち込まれていた相手が出塁。代走周東が送られると、球を握る手はこわばった。

勝負の分かれ目に立たされた。「誰もが知っている速さを持っているので、どうしても無警戒には出来ない。自分の中では、今日一の難関だなと思いました」。続く中村に三塁内野安打され無死一、二塁にピンチが広がると、グラシアルにフォーク134キロを捉えられ、決勝打を浴びた。

自己最長8回1/3を投げ5安打2失点(自責1)。「完投完封は、人生で1度もない。どうしても乗り越えたかった」とベンチでうなだれた。あと1歩で乗り越えられなかった悔しさを、次戦への糧にする。

▽日本ハム栗山監督(9回途中まで好投した上原に)「ケンタ(上原)があそこまで頑張っていたので、どうしても勝たせてあげたかった。先を考えずに1球1球、覚悟して投げている感じは、すごく伝わってきた」

▽日本ハム木田投手コーチ(9回途中まで無失点の上原に)「いいバランスでしっかり腕を振ってボールを投げ込めているので、今日もいいピッチングだったなと思います」