佐倉が底力を見せた。東北楽天のエース木村春人の速球に抑え込まれてゼロ行進。相手には先発子安秀弥主将が4回、5回に1点ずつを奪われて敗色濃厚だった。最終7回表、援護を待っていた7番子安が右前打で自ら口火を切り、6回の守備から途中出場した斉藤夢明(むあ)が「試合に出たら打ってやろうと思っていた」と気合十分で木村のストレートを狙い打ち。左中間を破る適時打で「自信がある」という足で三塁まで進んだ。続く代打永嶋七海の難しい投手前のゴロが木村のグラブをはじき、転々とする間に同点に追いついた。

8回、1死満塁からのタイブレークになってからはチームが躍動。斉藤が適時二塁打を放つなど、5長短打に相手のミスが絡んで8点を奪って勝負を決めた。7回を投げ切った子安主将は「相手の投手が良すぎて、自分が打たれたら恥ずかしいと思って投げました。7回の打席は、何をしてでも塁に出ようと思った。ホームを踏んだ時に、これはいけるなと思いました」と振り返った。

松井進監督は「きょうは子供たちの頑張りしかないですよ。斉藤を途中で入れたのは、打撃がよくなっているので使おうと。あの1発が流れを変えてくれた」とニコニコ。「こういう勝ち方は勢いがつきます。あす2試合ありますが、面白くなってきた」と、手ごたえを感じた様子だった。