広島が2連敗で、DeNA戦の2年連続負け越しが決まった。先発中村祐が自身2戦連続となる先頭打者本塁打を被弾。新打線も機能せず、守備面にもほころびが出た。今季の低迷を象徴する敗戦で、借金は今季ワーストの「13」に膨らんだ。

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1万5268人が大きく沸くこともなく、試合は2時間54分で幕を下ろした。プレーボール直後に先制点を許し、終盤に追い上げても中継ぎ陣が踏ん張れない。入場制限が緩和されたマツダスタジアムでも、これまでの焼き増しのような戦いで週末のデーゲームを連敗。観客のため息とともに、2年連続でのDeNA戦負け越しが決まった。

出だしからつまずいた。先発中村祐が前回20日ヤクルト戦に続く、先頭打者本塁打を被弾。さらに長打から2点目を失った。2回以降は踏ん張って6回まで追加点を許さなかったが、前回と同じ失敗で2敗目を喫した。佐々岡監督は「前回もそうだった。2回以降は立ち直ってくれた。それを初回から出して欲しい」と課題克服を求めた。

前回プロ初完投を許した大貫に、打線は3選手を入れ替え、打順を並べ替えた。相性や調子から判断した打線は機能せず、劣勢では策も打てないままイニングを重ねた。6回1死一、二塁から上位に並べた野間、田中広がともに凡退。7回に松山がソロで大貫をマウンドから引きずり下ろすも、反撃ムードは上がらない。9回には3番手の塹江が2四球などで2死満塁として坂倉の捕逸で失点。打線は17イニング連続適時打なしで静かに試合を終えた。

借金は今季ワーストの13にまで膨らんだ。シーズンは終盤も、広島はまだ37試合を残している。入場制限は緩和されたばかりで、カープの野球を楽しみにするファンは多くいる。倍返しは無理でも、見る者の胸をスカッとさせる試合やプレーを1つでも多く見せる義務はある。【前原淳】