広島森下暢仁投手が投打、守で奮闘した。1回にいきなり無死満塁の大ピンチを招くも、村上を空振り三振、青木を三ゴロ、最後は中山を150キロ直球で空振り三振に斬った。

2回以降は快調に飛ばし、リードを守った。投げるだけではない。5回無死一塁からスアレスの投手前バントに勢いよくチャージすると、迷わず二塁へ送る好フィールディングで併殺を奪った。その裏は1死一、二塁からバントを投手右へ転がし野選を誘って、貴重な追加点につなげた。

ヤクルト打線とは2週続けての対戦。登板前に「自分は変えることはなく、今まで通り試合に臨みたい」と冷静だった。立ち上がりは慎重を期した。先制点を与えぬ投球が1年目の安定感につながっている。今季14試合に登板して1回に失点した試合は2度しかなく、11試合連続で1回を無失点で滑り出している。前日9日に先発床田が1回を4失点したように、今季のチームにとって先制点が持つ意味は大きい。森下は先制点を許した登板も3度しかない。1回、無死満塁のピンチを招いても丁寧な投球を貫き、29球を要してゼロ発進。この日も、新人右腕が試合をコントロールした。【前原淳】