ソフトバンク柳田悠岐外野手(32)が、おわびの一打でオリックスにとどめを刺した。

相手バッテリーミスで1点を先制した直後の7回2死満塁。強烈なライナーで左中間を破った。走者一掃の適時二塁打でリードを一気に4点に広げ、ベンチの千賀に向けて何度も手をあげた。「エラーしたので…。千賀に感謝してもしきれないです。打てたことはたまたまです。なんとかしたいという思いでした」と胸をなで下ろした。

打たないといけないわけがあった。3回1死の守備でミス。福田の中前打が大きくバウンドし、頭上を越えた。打球がフェンス際まで転がる間に、三塁まで進まれた。記録は単打とエラー。それでもエースは後続を抑え、無失点でしのいでくれた。「『シェイシェイ』と言いました。千賀は笑っていました」。ベンチに戻ると苦笑いで迎えられ、謝った。

今年8月、若手の川瀬がエラーした試合で千賀が大量失点。同期入団で仲も良く、エースとして期待しているからこそ、柳田は「千賀が悪い」とあえて厳しい言葉をぶつけた。そんな経緯もあったからこそ、バットで返したかった。きっちり白星をプレゼントした。

チームは4連勝で、敗れた2位ロッテとのゲーム差を約1カ月ぶりに3に広げた。工藤監督は「相手うんぬんより、自分たちが勝っていくんだという強い思いを持っていかないといけない」と気を引き締める。一丸の戦いで終盤戦を乗り切っていく。【山本大地】