巨人岩隈久志投手(39)の今季限りでの現役引退に伴い、残る近鉄戦士はヤクルト近藤一樹投手(37)と坂口智隆外野手(36)の2人となった。岩隈の引退発表を受け、19日、近藤が球団を通じてコメントを発表した。

プロ2年目の岩隈が、近鉄の先発としてプロ初勝利を含む4勝を挙げた01年。同年のドラフトで、7巡目に指名されたのが近藤だった。日大三のエースとして夏の甲子園優勝を経験した右腕は、岩隈をほうふつとさせる細身のスタイル。「岩隈さんが近鉄バファローズのエースとしてブレークした年のドラフトで、細身で長身でスラッとしてスケールは違うけど同じタイプになるのではないかと、岩隈さんの担当スカウトの方の意見もあり、僕も近鉄にドラフトで指名されたと聞いておりました」と当時を振り返った。

岩隈のエースとしての振る舞いや投球、野球に対する姿勢を、近くで学んだ。近藤がプロ初先発初勝利をマークした04年は、ともに1軍で過ごした時間も長かった。「入団してからは、チームのエースとしての野球に対する取り組みや投げ方をまねたり、トレーニングなど大切な経験をさせていただきました」。岩隈は開幕投手を務め、最多勝などのタイトルも獲得。アテネ五輪の日本代表にも選出されるなど、尊敬する先輩だった。

同年オフに近藤はオリックスへ、岩隈は楽天へと所属が分かれたが、その後も交流は続いていたという。岩隈が米メジャーに挑戦する前の11年まで、オリックスと楽天が対戦する際にも言葉を交わした。「チームがお互い離れてもパ・リーグで対戦もしましたが、スケールの大きさはかけ離れていて、ずっと尊敬して見ていました。球場で練習の時にお会いしても、僕の体の事を心配してくれて感謝しています。本当にお疲れさまでした」と、メッセージを送った。