ソフトバンクが、優勝マジック2で迎えた2位ロッテとの直接対決を制し、3年ぶりのリーグ優勝を地元で飾った。パ・リーグ19度目、1リーグ制時代を含め21度目の優勝。球団の福岡移転後、ダイエー3度で、ソフトバンクで6度目となった。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた今季は、6月に栗原のサヨナラ打で4年連続の開幕白星スタート。8月は長谷川の新型コロナ感染が判明して2日の西武戦が中止になったが、同23日から首位を続けた。昨季までシーズン終盤に失速して西武に連覇を許したが、10月に入り15年ぶりの12連勝で加速した。

打線はつながりと対戦相手とのデータから編み出した日替わりオーダーが奏功した。コロナ禍でグラシアル、デスパイネのキューバコンビの来日が遅れる中、4番には中村晃、栗原、川島ら12球団最多の9人を起用。中村晃は1番から6番までこなし、主砲柳田が時に2番に入るなど工藤監督の大胆な作戦がはまった。若手では俊足の1番周東が得点源となり、好打の栗原は柳田に次いでチーム2番目の打点を挙げ、24歳の2人がレギュラーとして活躍した。

初めて開幕投手を務めた東浜が先発の軸として8勝を挙げ、防御率2・18の安定感をみせた。この日先発した和田も8勝目。故障で出遅れたエース千賀は7月復帰して本来の姿を取り戻し、石川ともに9勝をマーク。救援陣では8回モイネロ、9回森の強力コンビが安定した。「勝ちパターン」の継投で、固まらなかった7回は10月に入って岩崎が加わり厚みが出た。

9月には川村3軍コンディショニング担当が遠征先で急逝する悲しい出来事があった。この日の試合前練習では、川村さんの写真をプリントしたTシャツをチーム全員が着て臨んだ。天国の恩人にもプレゼントを届けた。

すでに7年連続のクライマックスシリーズ進出を決めており、次は4年連続の日本一に挑む。【浦田由紀夫】