阪神西勇輝投手が中日大野雄大投手との「エース対決」に完勝した。自己最多のシーズン4完投で移籍後最多の11勝目。お立ち台でも責任をにじませた。

「昨日、ブルペンデーでたくさんの中継ぎの方が投げた。相手が大野さん。先制点を取られてしまったけど、3点、取ってくれた」

本領を発揮したのは1回だ。京田に先制ソロ本塁打を浴び、2死後、高橋の打球を右翼陽川が後逸するミスで三塁打になる。投げ合うのは45回連続無失点中の左腕だ。次の1点を許せばキツい。福田との対戦。初球外角スライダーで目付けさせ、2球目の内角シュートでえぐる。中飛に詰まらせ、ピンチを断った。

大野雄との移籍後初対決で投球術がさえた。シュートもスライダーも敵を詰まらせ、逃げる球になる。内外角への投げ分けで2回以降を封じた。名コンビの梅野とは「今年、特に負けない投手になろう」と誓った。今年は1人で堂々の貯金6だ。前夜は7投手で継投。救援陣を温存する力投だ。

すでに今季の規定投球回到達も「もともとの143イニングを」と妥協なく、この日に突破。自己最多となる13勝まで残り2戦で圏内だ。防御率はリーグ2位の2・03に下げた。タイトルを度外視し「長いイニングを放ることだけ」と気合。大黒柱の自覚が光った。