2年連続新人王じゃ! 広島ドラフト1位のトヨタ自動車・栗林良吏投手(24=名城大)が2日、愛知・豊田市内のトヨタスポーツセンターで、佐々岡真司監督(53)らの指名あいさつを受けた。

2年連続で一本釣りに成功した社会人NO・1右腕に、指揮官は1日中日戦(ナゴヤドーム)で10勝を挙げた新人王最有力候補の森下に続く活躍を注文。即戦力右腕に対する期待の大きさを示した。

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運命のドラフト会議からちょうど1週間。ナゴヤドームでの中日戦一夜明け、栗林と待望の初対面を終えた佐々岡監督は、終始表情を緩ませた。ワクワク感を抑えられなかったのか、予定時刻の30分前に到着。田村スカウト課長、松本スカウトを交え約30分の面談を終えると、報道陣の前で期待の大きさを示す言葉を発した。

「来年栗林くんも森下に次いで、新人王を取れるような選手になってほしい」

ドラフト1位の“先輩”森下は、1日中日戦で8回無失点と快投。10勝目を挙げ、新人王のタイトルに大きく前進した。栗林が1学年上だが、2人は大学日本代表のチームメートで、3年前から親交がある。普段から森下の映像を欠かさずチェックしていたという右腕は「もともと応援していたし、活躍を気にしていた。新人王はほぼ確定で、もしかしたら最優秀防御率もある…。ちょっとプレッシャーはやばいですね」と笑ったが、「森下には負けたくない」と闘志を燃やした。

指揮官は自身の境遇とルーキーを照らし合わせた。「自分の新人の頃と重なることも感じている」。同じ社会人出身で、1年目は先発、守護神を任され、13勝&17セーブと活躍した。大学、社会人と先発、救援ともに経験豊富な栗林は佐々岡監督について「1年目からいろんなポジションで活躍されている。自分もどこにこだわるとかもないんで、同じような活躍ができれば」と目をギラつかせた。

指揮官は「『何でもできる』ということを頭に入れながら。息の長い選手になってほしい」と期待を寄せた。

広島に入団するにあたり、悩ましい“問題”もある。現在の愛車はトヨタのプリウス。マツダとトヨタが資本提携しているとはいえ、業界内では競合他社だ。栗林は「広島で浮くくらいだったら変えないといけない」と苦笑い。今後の乗り換えは果たして-。公私ともに注目だ。【古財稜明】

◆栗林良吏(くりばやし・りょうじ)1996年(平8)7月9日、愛知県生まれ。愛知黎明では2年秋まで内野手。最高成績は県大会準Vで甲子園出場なし。名城大では1年春からリーグ戦デビュー。3年春の中京大戦でノーヒットノーランを達成。3年時に大学日本代表に選出され日米大学野球、台北ユニバーシアードに出場。愛知大学リーグ通算32勝15敗。19年にトヨタ自動車入り。178センチ、83キロ。右投げ右打ち。