ヤクルト山崎晃大朗外野手(27)が、人生初の満塁本塁打を放った。1-3の8回無死満塁。巨人田中豊のスライダーを思い切り振り抜き、右翼席へ大きな弧を描いた。「本塁打になるとは思わなかったけど、外野フライまではいったと思った。感触としてはよかった。(満塁本塁打は)初めてです」とほおを緩めた。

先輩からの助言が、値千金の1発を生んだ。2打席凡退後、ベンチで山田哲から「打席で迷いが見えるから思い切って振ってこい」と声を掛けられた。「もやもやした感じで打席に入っていたので、何げないひとことがあって打席に(迷いなく)入れた」。6回の3打席目で右前打を放って完全に暗雲を振り払い、4打席目の逆転アーチにつなげた。

高津監督からは「守備範囲とか足とか貴重な戦力。自分の役割をしっかり理解して貢献しようという姿勢は評価できる」と成長ぶりを認められている。それでも山崎本人は「状態が良くない時になかなか自分で修正できずずるずるいってしまったところがあるので、手応えというか悔しいシーズン」と表情を引き締めた。残り試合は10日の広島戦(神宮)のみ。この日のような思い切りのいいプレーで、来季につなげていく。