阪神矢野燿大監督(51)が12日、大阪市内の阪神電鉄本社で藤原崇起オーナー(68)にシーズン終了報告を行った。会見で矢野監督は「(報告の内容は)シーズンが無事に終わりましたということと、全力を尽くした結果ですけど結果を受け止めて、来季精いっぱい戦っていきますということです」と語った。

「この特別な年のシーズンで、開幕からうまくいかず、2勝10敗でスタートして、本当に僕の中では苦しかったです。途中も何度も危ない、このままズルズルいってしまうのではないかという状態になっていた部分がありましたが、本当にその中で選手が粘り、ベンチで声を出し、一塁にしっかり走り、投手は打者に向かっていってくれた。それが、結果的に2位で踏ん張れたというものだと思います。もちろん課題は守備を含めてチームの中に残っていますけど、できた部分というのもしっかりあった年で、自分自身も苦しいからこそ学べたこともあった年だったなと感じています」と続けた。

阪神は今季60勝53敗7分けで2位。巨人との直接対決で8勝16敗と大きく負け越したことなどがひびいてリーグ優勝は逃した一方、順位を昨年から1つ上げ、貯金も19年の「1」から「7」まで増やしていた。

課題の1つは守備面で、85失策は現時点で12球団ワースト。「エラー数が12球団トップというのは、改善されてない。去年から(課題として)残った部分になっていますし、大きな全体の課題として残りました。全員の意識、準備、気持ち、そういうものがあってこそ改善されると思う、チーム全体、もちろん僕たち首脳陣の立場からも、しっかりやっていきたいなと思ってます」と語った。

さらに「もう1点取りたい、取れるところで点をとれなかったところで、流れがどうしてもこっちに持って来れなかった部分も僕の中にある。もちろんヒット、ホームランでかえす得点も大事な得点になるし、流れもこっちにくるんですけど、泥臭い1点というか、そういうものを、どう取っていくかという部分も僕の課題かなと思ってます」と打線の課題も挙げた。

1・2軍のコーチ陣容も発表され、配置転換や新入閣のほかに、久慈照嘉内野守備走塁コーチ(51)の肩書を「内野守備兼バント担当コーチ」に変更。筒井壮外野守備走塁コーチ(46)の肩書を「外野守備走塁兼分析担当コーチ」に変更し、新たな担当が追加された。指揮官はその狙いについて「それぞれ担当がある程度はっきりした中でやってもらうものも必要かなというところで、新たにバントや分析とか、そういうものを付け加えさせてもらった」とした。

矢野監督は来季が就任3年目となり、球団としても悲願の優勝に挑む。