さぁ、晩秋の短期決戦が開幕だ。パ・リーグのクライマックス・シリーズ(CS)が14日、リーグ優勝したソフトバンクの本拠地ペイペイドームで開幕する。滑り込み2位から得意の下克上を狙うロッテは、CS初出場の3年目安田尚憲内野手(21)が気合十分。受けて立つソフトバンク工藤公康監督(57)は人気アニメ「鬼滅の刃」に登場する呼吸法を引用し「明日からは、全集中でお願いします」と選手たちを鼓舞した。

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履正社出身のロッテ安田が、高卒3年目で初のCSに臨む。ソフトバンクとの初戦は「9番三塁」での出場が濃厚。「初めてで、何も分かっていないからこそできることもあると思う。当たって砕けろじゃないですけど」。前日に続いてペイペイドームで調整し、目指す下克上へ腕ぶした。

フリー打撃では、“1本締め”で勢いをつけた。2日連続で鳥越ヘッドコーチと「本塁打を打ったら終わり」の特別ルールで対戦。12日は9球連続でアーチが生まれなかった。だが、この日は違った。全員が見守る中、初球を完璧に捉えると、低い弾道で右中間にスタンドイン。「昨日は全然打てなかったので、今日は1発で仕留められてよかったです」と喜び、「試合で打ちたいです」と意気込んだ。

7月21日から10月30日まで86試合4番を務めたが、最終盤は7番や9番に打順を下げた。レギュラーシーズン終了後に打撃フォームの修正に着手。「シーズン終盤は窮屈になっていたので、ボールを飛ばせるようなスイングを意識しています」。短期決戦では、四球での出塁やつなぎの打撃も求められる。「泥くさく走者を進めたり、1点を取ったりすることが大事になる。興奮しすぎたらダメですけど、熱く熱くプレーしていきたい」と引き締めた。

◆安田尚憲(やすだ・ひさのり)1999年(平11)4月15日、大阪府生まれ。履正社では甲子園に2度出場。2年夏は3回戦敗退、3年春準優勝。17年ドラフト1位でロッテ入団。1年目は出場17試合で初本塁打をマーク。昨季は1軍出場なし。今季は初の4番を務めるなど113試合、打率2割2分1厘、6本塁打、54打点。188センチ、95キロ、右投げ左打ち。