打者の攻撃力を表すセイバーメトリクスの指標「OPS」で、セ・リーグ1位は高卒3年目のヤクルト村上宗隆内野手(20)だった。1・012を記録し、20歳以下のシーズンにリーグ1位は史上3人目で「1」を超えるのは初の快挙だった。昨年は10代で史上最多の36本を放ち、今年も新たな記録をつくった。

出塁率+長打率で算出するOPSで、村上はリーグ唯一の1超え。OPSは・900以上で一流、1・0以上で超一流とされる。20歳以下でOPSリーグ1位は、1リーグ時代に2度記録した川上(巨人)と53年中西(西鉄)に次ぎ3人、4度目。過去2人は1・0に届かず、20歳で1・0超えは76年掛布(阪神=1・018)の21歳を抜く最年少記録だ。

村上の打撃はやはりパワーに目がいくが、今季は出塁率で進化を見せた。昨季のリーグ21位(ワースト10位)から、今季は同1位にアップ。20歳以下シーズンに規定打席到達は今季の村上でのべ164人目となるが、4割2分7厘は164人で堂々のトップ。長打率を上げたことはもちろんだが、出塁率をリーグ1位、そして歴代1位までに引き上げたことが史上初の快挙につながった。

出塁率は単純に「塁に出た割合」を表すが「アウトにならなかった割合」とも言い換えられる。20歳にしてリーグで最もアウトを取られない打者となった村上。進化を続ける若武者の打撃から、ますます目が離せない。【多田周平】