セ、パ両リーグは18日、10、11月度の「大樹生命月間MVP賞」を発表し、セでは新人王候補の広島森下暢仁投手(23)が初受賞した。この期間5試合に登板して4勝0敗、37回で2失点(自責1)の防御率0・24と抜群の安定感。新人の受賞は球団では98年の小林(4月度)以来22年ぶりとなった。シーズン終盤の好成績は、目標の新人王へ大きなアピールになりそうだ。

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受賞が期待される新人王よりも一足早く、森下にうれしい知らせが届いた。10、11月の月間MVP賞。巨人菅野、中日大野雄が奪い合ってきた今季の同賞を最後につかんだ。10月3日からシーズン終了までの登板5試合で4勝0敗、防御率0・24。37回を投げて自責1(2失点)という安定ぶり。先発の防御率0・24は92年の阪神野田(7月度)の0・22に次ぐ快挙となった。

「1年目からしっかりチームに貢献して野球をやることができたのは、自分の中でもイメージ以上のことだったので本当にうれしい」

新人にとって疲労がピークに達するシーズン終盤に、輝きを放った。先発陣は大瀬良やジョンソンら離脱者が相次ぎ、チームは下位に停滞した。「やっぱり大地さんがいなくなってから、もっと頑張らないといけないなと強い気持ちが出てきました」。大瀬良が出場選手登録を抹消された9月6日以降、8試合に登板して5勝を挙げた。黒星はわずか1つ。エースの離脱が、自覚を芽生えさせた。

チームでただ1人、2桁10勝(3敗)、防御率1・91で1年目を終えた。月間MVP受賞に、佐々岡監督は「対抗馬がいっぱいいる中でも立派な成績で文句なしだと思う。素晴らしく思うし、取ったことを来年につなげてほしい。自信にしてほしい」と評価し、さらなる成長を期待した。

森下は初めてプロのシーズンを投げ抜いたダメージは感じていない。「むしろ強くなっているんじゃないかなと思います」と継続してきた成果を感じている。「来年が心配」と冗談めかすも、大瀬良ら先輩から助言を受けながらオフのプランを練っている。秋季練習を含め年内は完全ノースローを予定。「レベルアップできれば。(ウエートトレーニングで)全身を強化できれば。2月のキャンプでしっかりできるようにしたい」。達成感にひたることなく、来季へ向けて成長の歩みを進めていく。【前原淳】