広島ドラフト1位のトヨタ自動車・栗林良吏投手(24=名城大)が15日、広島市内のホテルで新入団発表に出席し、1年目の佐々岡監督、森下の成績を超えると所信表明した。沙耶夫人(24)も訪れる中、背番号20のユニホーム姿を初披露し、決意を新たにした。育成を含むルーキー7選手が高らかに第一声を発した。

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栗林がスポットライトを一身に浴び、目を輝かせた。コロナ禍の影響で、無観客で行われた新入団会見。1人壇上に上がった右腕は「これからプロ野球選手として道を進んでいく期待とワクワク感があります」と胸を高鳴らせ、「投げっぷりの良さが売り。『栗林だから見にいきたい』と思うような選手になりたい」と力強く宣言した。

球団最多213勝の北別府、同最多165セーブの永川が背負ってきた「20」のユニホームに初めて袖を通し「数字の重みを実感できた」と期待の大きさを改めて体感。「何かチームで一番の成績を残して引退できたら」と抱負を口にした。

1年目からフル回転する覚悟だ。引き合いに出したのは、同じ社会人出身で新人ながら13勝、17セーブを挙げた佐々岡監督と、今季10勝で新人王候補の森下だった。「先発、抑えもやってすごく忙しい1年目を過ごしている。自分もそういう選手にならないと。佐々岡監督、そして森下の1年目の成績にも負けないようにしたい」と力を込めた。

妻沙耶さんのサポートも力に変える。名城大1年時から交際し、今年7月に結婚。指名漏れを経験した大学時代、社会人での躍進の陰には夫人の存在があった。「自分のために全力を注いでくれている。結果を出して、恩返ししないといけない」。会見を見守った沙耶さんは「とにかく1年、1軍にいてほしい。そしてたくさん投げてもらいたいです」とエールを送った。

1月の新人合同自主トレは単身で入寮し、2月も春季キャンプでホテル暮らし。その間に沙耶さんは料理の資格を取得する予定で、シーズン中は広島で同居する。最強のバックアップ受け、1年目から活躍してみせる。【古財稜明】

▽広島栗林の父秀樹さん「プロに入ってくれたことが親孝行。うれしいですけど、厳しい世界なので、不安の方が大きい。みんなに喜ばれる選手になってほしい」

▽広島佐々岡監督「緊張している中でも、心強くしっかりと話せていた。特に1、2、3位の投手は期待されている中での背番号だと思うし、僕たちもそういう(即戦力)思いで獲得した。本当にみんな強い気持ちを持っている」

▽ドラフト2位天理大・森浦「高校時代に(巨人岡本と)1度対戦して打たれているので、プロの世界でリベンジしたい。1軍の投手からいろいろ教えてもらって盗めるところは盗んでいきたいなと思います」

▽ドラフト4位智弁和歌山・小林「2年夏に(ヤクルト奥川と)投げ合って負けているので、1軍の舞台で投げ合える機会があれば勝ちたいなと思います。森下投手のように1年目から活躍したい。大瀬良投手や野村投手というレベルの高い投手がたくさんいるので、いろいろ聞いて吸収したい」

▽ドラフト5位四国IL徳島・行木「まだ未完成なので、すべてにおいてレベルアップしたい。(目標は)森下投手。タイプが似ていると言われてから意識して、投球の動画を見て参考にしています。チームの主軸として投げられるように頑張っていきたい」

▽育成ドラフト1位磐田東・二俣「小さい頃からの夢だったので、プロ野球選手になったんだなと実感しました。まずは支配下選手登録されて、マツダスタジアムで活躍したい。捕手としてトリプルスリーを取りたいです」