広島会沢翼捕手(32)が16日、広島市内の球団事務所で契約交渉に臨み、現状維持の年俸1億8000万円プラス出来高でサインした。2年連続Bクラスの現状を打破するべく、優勝、そして日本一へ向け、精神的支柱としてチームを引っ張っていく。(金額は推定)

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赤いネクタイを締めた会沢の目の奥は、来季の逆襲へ燃えていた。チームは2年連続Bクラスに沈み「チーム全体として危機感を持ってやっていかないといけない」。扇の要として責任感をにじませ、チームメートに奮起を促すとともに、巻き返しへ向けた思いをぶちまけた。

「最後まで野球したい。日本シリーズに出たい。広島カープがまた強いんだといってもらえるように、一致団結して、佐々岡監督を胴上げできるように頑張っていきたい」

来季の全試合出場へ強い意欲を示した。3年契約1年目の今季は、正捕手として79試合に出場。打率2割6分6厘、7本塁打、36打点に終わった。コンディション不良も重なった。今季の手応えについて「全くない。試合数は僕の中でも大事。試合に出てなんぼだと思っている。そこが一番悔しい。出られるものなら全部でたい」と語気を強めた。

今季躍進した坂倉の成長にも大きな刺激を受けている。「危機感を持ってやらないといけない。もっとうまくなりたい。切磋琢磨(せっさたくま)していけばチーム力も上がる。そこに関しては大歓迎です」と相乗効果を期待した。

長年背中を追い続けてきた石原慶が今季限りで引退した。「みんなから相談される存在でしたし、経験豊富な方だった。ユニホームを脱いだだけであって、いつでも電話はできますから」と笑顔を見せた。

来季は東京五輪も控える。昨年11月のプレミア12では正捕手として世界一に貢献したが、「五輪というのはそう出られるもんじゃない。選ばれるためには成績を残さないといけない」と引き締めた。来季の個人目標は「キャリアハイ」。V奪回へ向け、精神的支柱がチームの中心にどっしりと構える。【古財稜明】