高卒1年目の阪神井上広大外野手(19)が20日、甲子園歴史館のオンライントークイベントに参加し「城島流ルーティン」の存在を明かした。メジャーなどで活躍した球団OBの城島健司氏は、バットを振らずに追い込まれた後は1度フルスイングの素振りをしていた。これをアレンジして井上は打席に入る前に取り入れ「シーズンの後半はストライクにどんどん振っていくことができていた」と効果てきめんだった。

ルーティンを提案したのは来季1軍を担当する北川2軍打撃コーチで、指導の意図について「プロは1球甘い球を見逃したら終わりの世界。相手の失投をいかに打つか。そう考えたらファーストストライクからどんどん振っていかないと」と説明した。北川コーチは現役時代の01年に近鉄で代打逆転サヨナラ満塁リーグ優勝決定本塁打を放った。1球で仕留める勝負強さを、未来の大砲に植え付けた。

1軍デビューした10月14日の中日戦では、今季沢村賞に輝いた大野雄に3打席無安打で2三振。同20日の広島戦では今季8勝の九里のシュートに「これは打てない」と詰まらされて遊ゴロに倒れた。「一流投手の方から1本でも多く打って、結果を出せるように頑張ります」とリベンジを誓った。

球団の日本人右打者では10年の城島、新井貴浩以来となる規定打席到達での打率3割超えにも意欲的。「(3割に)少しでも近い数字を残せれば、1軍に残っていける確率も高くなる」。大先輩のルーティンで飛躍の21年にする。【只松憲】

○…井上は甲子園で行われた中学生硬式野球の関西NO・1を決める「タイガースカップ」の表彰式でプレゼンターを務めた。野球少年たちのハツラツプレーに刺激を受け「今の自分と違って、がむしゃらさがある。もっとがむしゃらさを出していこうと思いました」とキャラ変? を決意した。