進むぜエース道。巨人戸郷翔征投手(20)が21日、都内の球団事務所で1950万円増の年俸2600万円で契約更改した。1年間ローテーションを守り9勝を挙げたことなどが評価され、300%アップをつかみ取った。菅野智之投手(31)がポスティングシステムを申請し、メジャー移籍を視野に入れる中、若きエース候補は、投手陣の「柱」を目指す。(金額は推定)

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戸郷は大幅アップに頬を緩めながらも、自覚と責任を口にした。現在は兵庫県内で、単身トレーニングに励んでいる。年始は地元の宮崎・都城でやる予定で「1人でやって、どこまで行けるかを知ってみたかった。これから後輩を連れて行くためには、挑戦も必要なのかなと」。昨オフは山口俊(ブルージェイズ)に弟子入りし飛躍のシーズンにつなげた。高卒2年目ながら将来的な「戸郷組」結成を見据え己と向き合っている。

菅野の背中を見て学んだエース道を突き進む。今季幾度となくチームの連敗を止めてきたエースの姿を「勝ちを求められる中で勝てるのが素晴らしい。僕もこんなふうになれれば」と見てきた。菅野の去就が不透明な中、球団からは「来季は(菅野が)いてもいなくても柱になると思うから15勝を目指してくれ」と期待を込められた。

チームの大黒柱になるための試練も立ちはだかる。今季9勝を挙げた右腕の投球は研究される。「打破できるように。日本一、そして僕は2ケタ勝利。15勝を」。菅野の大リーグ移籍が決まれば、開幕投手候補にも挙がる中「まだ何も考えず。言われたら頑張りたい」。背番号を20に変更して臨む来季は、エース級の活躍を目指す。【久永壮真】