ソフトバンク周東佑京内野手(24)が“レジェンド”に挑む。22日、ペイペイドーム内の球団事務所で2度目の契約交渉に臨み、前回提示から上積みなしの倍増となる4000万円で更改した。(金額は推定)

今季のパ・リーグ盗塁王は「走塁の評価について、もう1度整理して話したい」と前回18日に保留していた。「金額的には満足していたので」とサインしたが、球団からの具体的な査定変更などはなかった。「自分が活躍することで、もっと走塁面での評価が変わっていくのではないかという話になりました」。1年だけの盗塁王では変わらないことを痛感した。「向こう何年か盗塁王を取っていきたいし、チームの勝利に貢献するためにずっと走り続けたい」と決意を新たにした。

交渉の席に就いた三笠取締役GMも「例えば(南海、広島で)江夏さんが抑えをすることで抑え投手の価値が変わったりとか(元阪急の)福本さんが活躍したりとか、記録を作る人が出てきて野球が変わったように、周東選手も歴史に名を残す可能性あるという話をさせてもらった」と伝説級の活躍を期待した。

周東もさらなる高みを目指す。「出塁率は3割5分はクリアしたい。今季、終盤はボール球を振ってしまったのもあるので、見極めも大事になる」。打率はもちろん、走塁の価値を広めるために出塁にこだわる。

今季、13試合連続盗塁の「世界記録」に挑んでいた時、周東が一塁に出るだけで、ホーム、ビジター問わず、多くの拍手がわき起こった。「走塁の評価について球団に言ったからには、それに恥じない結果を出さないといけない」。盗塁王獲得はゴールではない。21年を「周東伝説」のスタートにする。【浦田由紀夫】