起用法も矢野流の挑戦や! 3年目に挑む阪神矢野燿大監督(52)にコラム「虎になれ!」の高原寿夫編集委員が直撃する新春インタビュー。「日替わり捕手起用」から「消えた矢野ガッツ」まで少しだけ聞きにくいこともズバリ、聞いた。【取材・構成=松井周治、桝井聡、編集委員・高原寿夫】

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高原 3年目ですが理想のチーム像はどういうものでしょう。失策が出ても打ち勝つとか、継投で逃げ切るとか。

矢野監督 そういう理想ってあんまりない。僕は僕のノーサインが理想ですね。ノーサインで動いてくれるのが究極のゲームです。

高原 試合中、監督の仕事がなくなりますね。

矢野監督 だから試合をやる前ですよね。選手の背中を押すことですよ。エラーした選手をとがめるんじゃなくて「取り返してこい」「打たれへんかったらベンチで声出したらいいやん」って。選手を前に向けていくのが僕の仕事です。

高原 指示待ちでなく…ということですね。

矢野監督 19年に僕が感情が上がって泣いてしまった日本ハム戦がまさにそうなんですよ。梅野がサインも出ていないのに三塁に走るわけですよ。そこで高山とか北條とか2軍で苦しんでいたヤツが必死に2死からつないで、最後、病気から帰ってきた原口がヒット打つって。僕、なんにもしてないんですよ。

高原 自主性は就任以来、ずっと言っていることですね。でもそれが難しい。ない人もいるでしょう?

矢野監督 だから高原さん、ないヤツにもあるんですよ。ないヤツって決めるから、ないだけで。そいつが動けるようなアンテナはそいつなりに拾ってくるわけですよ。こっちがないって決めているだけで。みんな、あるんです。こっちが勝手に決めつけない限りは。

 

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