日本ハムのドラフト1位伊藤大海投手(23=苫小牧駒大)が17日、千葉・鎌ケ谷の新人合同自主トレで2度目のブルペン入り。捕手を立たせて35球、ラスト1球は4度“おかわり”もカーブ、カットボールを解禁した。「前回(15日)より力まずに投げられた」と納得。ただ、大事なものを忘れていた。投球時に装着する奥歯用のマウスピース。「投げていて気持ち悪いなというのはありますね」と苦笑いした。

子どもの頃からあこがれ、投球動画を参考にしてきたパドレス・ダルビッシュも、日本ハム在籍時の10年終盤に親知らずの痛み防止も兼ねてマウスピースを使用していた。伊藤の場合は、かみ合わせをよくして体のバランスを取ることを目的としている。

伊藤 何げなく普段かんだ時に(左右の)どっちかに(バランスが)寄りやすいクセって人それぞれあると思う。僕は右ピッチャーで右側に寄りやすく、ちょっと前に出づらいことが多かった。それからずっとフラットにして、というのがこだわりなので付けるようにしています。

駒大苫小牧時代の講習でマウスピースのメリットを勉強し、キャッチボールから愛用するようになった。毎年、歯型を取って新調。シリコーン製でウエート用1個(厚さ3ミリ)と投球用2個(同1・5ミリ)の計3個を常備。春季キャンプに合わせて新品も届く予定だ。

この日のブルペンも前回同様に6、7割の力感で投げた。マウスピースなしでも「いい方のボールなんじゃないかな」と順調にステップアップ。すべてがかみ合ったら、どんなボールを投げるのか。期待大だ。【木下大輔】

◆ダルビッシュ有(ゆう) 1986年(昭61)8月16日、大阪府生まれ。東北高から04年ドラフト1巡目で日本ハム入団。07年に15勝5敗で沢村賞。同年から5年連続防御率1点台を記録し、09年からは2年連続で最優秀防御率に輝いた。NPBではMVP2度、通算93勝38敗、防御率1・99。11年オフにレンジャーズへ移籍。12年4月9日マリナーズ戦で先発デビューし、初登板初勝利。ドジャースを経て18年からカブス。新型コロナの影響で60試合制だった昨季は8勝(3敗)を挙げ、日本人初の最多勝を獲得。サイ・ヤング賞投票で2位に入った。今季からパドレス。メジャー通算71勝56敗、防御率3・47。196センチ、100キロ。右投げ右打ち。