いよいよ-。ロッテは18日、コーチ会議で石垣島キャンプの選手振り分けを行い、佐々木朗希投手(19)の1軍キャンプスタートを決めた。

1軍帯同で肉体強化に励んだ昨季は公式戦登板なし。プロ2年目を迎える163キロ右腕が、いよいよマウンドの権利をつかみに行く。オンライン取材に応じた井口資仁監督(46)からは「開幕」「戦力」と同時に「競争」というフレーズも飛び出した。

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井口監督にとって、佐々木朗はもうゴールデンルーキーではない。優勝への1軍戦力候補の1人、と捉える。「キャンプ前半からしっかりブルペンに入れると(トレーナー報告を)受けているので」。キャンプイン2週間前のこの日、満を持して1軍に決めた。

2年連続の1軍スタートだが「昨年と今年では大きく違うところは、朗希の体が仕上がっているところ」と言う。「今年に関しては戦力という形でしっかり開幕からどう行けるか、というのを判断したいです」と選出理由を明かした。

開幕、戦力…野球界がワクワクする言葉が並ぶ。背景にはチーム事情もある。順調ならば美馬、石川ら先発5人まではほぼ堅い。問題は6人目。種市が右肘のトミー・ジョン手術のリハビリで復帰は来季となる見通し。チェン・ウェインは退団し、阪神に移った。

2人は昨季、先発で合計約73イニングを投げた。143試合換算なら約87イニング。6回まで投げるとすれば、14~15試合分を埋められる先発新戦力が必要になる。佐々木朗にも当然期待がかかるが、指揮官にリップサービスはない。「ドラフトで入った大卒選手も含めて今回1軍に入っているので、しっかりと先発も含めて争ってもらいたい」と、ルーキー鈴木らとの激しい競争が待つ。

昨年は2月13日に初めてブルペンに入り、初めて18・44メートルで捕手が座ったのは同27日。今年は違う。11日予定の紅白戦に登板できるよう、ライバルたちと同様に調整する。試合に投げない高卒新人がほぼ通年で1軍帯同し、肉体強化を図る-。これまでにないような育成方針の成果を、示し始める1年になる。

「去年の朗希と、言い方は悪いですけど、扱い方は全く違うと思います」

井口監督の予告が、なおさら期待感を高める。【金子真仁】

◆佐々木朗の昨春キャンプ 2月1日にキャンプイン。40メートルのキャッチボールや12分間走を行った。大勢のファンや報道陣の注目を浴びる中、練習量も多く同3日には「疲れてます」と吐露した。徐々に負荷を上げ、石垣島最終日の同13日にブルペン入り。柿沼捕手が立った状態で25球を投げ、その球威は首脳陣や球界関係者に絶賛された。14日以降も1軍の練習試合遠征(沖縄本島、高知、宮崎)に帯同。数回のブルペン入りを経て、同27日のオリックス戦(SOKKENスタジアム)の試合前、ついに18・44メートルで捕手が座る状態でブルペン投球。21球を投げた。なお、同試合は新型コロナ対策で初めて無観客となった試合でもあった。

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