楽天から交換トレードで日本ハムに移籍した池田隆英投手(26)が3日、札幌ドームで行われた入団会見で決意をにじませた。150キロ超えの直球が売りの本格派右腕は、先発候補として期待されている。昨季は育成契約を経験した苦労人が、これまでの悔しさを新天地でぶつける。背番号は「52」に決定した。

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緊張した面持ちで会見に臨んだ池田が決意を口にした。プロ5年目での移籍に「やってやるという強い気持ちがあった。本当に期待されて入団が決まったと思っている。本当に結果で応えていきたい」。時折笑顔もみせながら、新天地での背番号「52」のユニホームに身を包んだ。

直球は150キロを超える右の本格派だ。コロナ禍で外国人3投手の来日が未定など、先発投手陣が手薄な台所事情もあり、先発ローテーション候補として期待されている。会見に同席した栗山監督は「この札幌からすぐに投げはじめてもらいたいというふうに思います」と、近日中のオープン戦で実戦登板させることを示唆した。

逆境を乗り越えて前に進んでいる。創価高3年時に右前十字靱帯(じんたい)と半月板縫合の手術を経験。車いす生活から復活し、創価大を経て16年ドラフト2位で楽天に入団。プロ入り後も、2年前に半月板のケガが再発して再手術。度重なるケガに泣き19年オフに戦力外通告→育成契約を経て、20年オフに支配下に復帰した。栗山監督は「いろんな悔しい思いとか、野球に対しての思いがあると思う。ファイターズの大きな力になってくれると信じている」と期待を寄せた。

前日2日に仙台から札幌入りした際も、いきなり逆境に立たされた。大雪による交通機関の乱れで、新千歳空港から札幌市内の寮まで通常1時間程度のところ3時間を要した。「雪をなめていたわけではないですけど…」と苦笑い。栗山監督から「嵐を呼ぶよね」と冗談混じりに言われた新加入右腕。目標については「内に秘めておきたいと思います」。言葉ではなく結果で示してみせる。【山崎純一】

<池田隆英(いけだ・たかひで)>

◆生まれ 1994年(平6)10月1日、佐賀県唐津市。幼少期には素潜りでサザエなどを採っていた

◆球歴 小4から成和ライオンズで野球を始め、唐津五中では硬式チーム「東松ワンダーズ」で4季連続全国大会出場

◆高校時代 創価で1年秋からベンチ入り。3年夏の西東京大会準決勝敗退など甲子園出場なし

◆大学時代 創価大2年秋の明治神宮大会で151キロをマーク。4年秋の東京新大学リーグ戦で最多勝、最優秀防御率。16年ドラフト1位のソフトバンク田中正義と2本柱を形成した

◆プロ入り 16年ドラフトで楽天から2位指名を受け、契約金7000万円、年俸1200万円(ともに推定)で入団

◆プロ初勝利 2年目の4月15日西武戦(楽天生命パーク)でマークし、これが唯一の白星。通算15試合(先発7)に登板、1勝5敗4ホールド、防御率5・91

◆再契約 19年はケガが重なり、オフに戦力外通告を受け育成契約を結んだ。20年12月に支配下選手に復帰。今季推定年俸650万円。

◆風貌 SNS上でシンガー・ソングライター岡崎体育似と話題に

◆趣味 ギター

◆サイズ 181センチ、85キロ

◆投打 右投げ右打ち