西武が誇る山賊打線が爆発した。口火を切ったのは1番に抜てきされた22歳の鈴木将平外野手だった。

先頭、そして初球。中日の開幕投手・福谷の144キロ直球を右前へ運んだ。ドラフト4位ルーキーの2番若林楽人外野手(22=駒大)が四球でつなぎ、山川の先制2点適時打で先手を取った。鈴木は「自分は開幕1軍じゃなくて、その先の開幕スタメンを目指してやっている」という心意気をプレーで体現。2回は一塁へのゴロにヘッドスライディングで内野安打。3回には左前適時打で打点もマークした。

1番打者が3安打で起爆剤となった。その流れを、同じ98年組が上昇気流に乗せた。若林が3回2死一、三塁で左翼席へオープン戦1号3ラン。さらに6回、ドラフト6位ブランドン内野手(22=東農大北海道オホーツク)も初アーチで続き、この試合3安打5打点と大暴れした。

先発で好投した今井を含め、高卒5年目と大卒1年目の98年生まれの若い山賊たちが、相乗効果を発揮した。昨季は1番で24試合に先発も、右足首を痛め自らチャンスを手放した鈴木は「やっぱり同い年のやつが打ったら負けてられないなと思っている」とライバル心をむき出しにする。

鈴木の1番起用を新オプションにするべくテストを仕掛けた辻監督は「若い野手が多い中で非常に元気があっていい。今日もいくつかあったけど、ミスはミスで反省して、若い選手が勉強しながらやっている」と目尻を下げた。18安打14得点という圧勝劇。フレッシュに魅了する新たな山賊の姿を見せた。【栗田成芳】