ついにロッテ佐々木朗希の投球がお披露目された。観衆4966人が、静けさの中で投球動作を見つめ、ストライクやアウトには温かな拍手を送り続けた。

ある意味で謎の存在だった。163キロは会場非公表の高校日本代表候補合宿でひっそりとマークされた。大船渡高での公式戦は岩手県内のみ。大型駐車場のナンバーを見ても、9割近くが岩手県内の車だった。神宮で行われた日本代表の壮行試合に3万人近くが集まったのが全国デビュー。プロ入り後も初ブルペンは関係者含め約300人が見守ったが、その後はコロナ禍でファンの前での投球をしていなかった。

担当記者のツイッターアカウントで、12日の来場者にアンケート協力を依頼した。設問は「佐々木朗の投球を生で見るのは何回目ですか?」。516人が回答し「初めて」は89%となる459人に及んだ。

回答したファンからは「速球派路線、新生マリーンズの真打」「鳥肌が立ちました」「呼吸をするのも忘れるくらい見入りました」「ボールがミットに収まる音にしびれました」「現地で震えた」などの感想も寄せられた。

希代の快速球の“目撃者”は、これからどんどん増えていく。【金子真仁】