阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)が、バースデー弾を逃したが、「球団新記録」を打ち立てた。西武とのオープン戦に「6番・右翼」でフル出場も、3打数無安打で4戦ぶりに快音はなく、3戦連続アーチは飛び出さなかった。この日の試合前には、ベンチ前での円陣の声だし役に指名された。「しっかり勝って、僕の誕生日を祝いましょう!」。チームを鼓舞したが、4戦ぶりの敗戦。それでも、怪物ルーキーへの注目の高さが「球団新」の爪痕を残した。

打席が巡るたびに、スタンドの虎党は水色生地に赤い文字で「佐藤輝明」と書かれた「応援フェイスタオル」(税込み1100円)を掲げる。この日の観衆は8166人。球団の担当者によると、観衆の10人に1人以上が購入した計算で、1日で800枚以上と爆発的に売れたという。これまで1日の最高売り上げだった19年の甲子園での球宴で史上2人目のサイクル安打を達成した時の近本タオルの販売数を超えた。

この日は6回に最速160キロ右腕平良の高め直球を豪快に空振り三振。力勝負でスタンドを沸かせた。守ってはオープン戦7戦目で初めて右翼に就いた。9回1死二塁で岡田の右前打に対し、猛烈にダッシュ。内野手のようなジャンピングスローで一塁へ送球し、貪欲に右翼ゴロを狙った(結果は右安)。堂々としたプレーとマイペースぶりに、この日の円陣では先輩から「何年目や?」と質問され「1年目です」と答えると「ホントかよ!」と突っ込みが入った。長打力だけでなく、存在感も新人離れしている。

14日には初めて宿敵巨人と対戦する。上限1万人のチケットはすでに完売。水色のタオルで染まった甲子園で、宿敵に強烈な一打を放ち、さらに虎党を熱狂させる。【石橋隆雄】

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