プロ9年目で初の開幕投手を任される阪神藤浪晋太郎投手(26)が右手負傷のアクシデントにも動じず、4回を5安打3四球で1失点と粘った。

1回裏に入る直前の投球練習途中、右手の親指を気にするそぶりを見せた。1番佐野皓にストレートの四球を与えた直後、福原投手コーチとトレーナーがマウンドに駆け寄る。右手親指から出血して治療に入ったが、続投して周囲を安心させた。

2回以降も毎イニング走者を背負い、今春の実戦では珍しく直球の抜け球も目立った。4回には2度の暴投もあったが、なんとか追加点を許さなかった。

登板後は「ちょっと人さし指の爪が親指に刺さって、結構肉がえぐれちゃったんですけど。血が止まらなくて。深く行っているので、しっかり治療しないと、という感じ。ただ、1週間あったら大丈夫かなと思います」と状態を説明した。

イメージされていた100球前後には届かなかったが、負傷しながらもなんとか69球。「もうちょっと投げたかったな、と。今日はブルペンでもすごい良かったので、いい感じで入れるかなと思った初回に爪が入ってしまった。正直、長いイニングを投げたかったですけど、こればかりは仕方がない」。

シーズン開幕戦となる3月26日ヤクルト戦(神宮)へ、懸命に最終調整登板を終えた。