阪神西勇輝投手(30)は黒星を喫したが、安定感は健在だった。今季初先発で7回5安打1失点。「自分自身の今シーズン初戦でしたけど、いつもと変わることなく試合に入れましたし、先発としてイニングを多く投げるということは出来ました」。我慢強く味方の援護を待った姿はエースらしかった。

立ち上がりの苦しい展開にも動じなかった。初回。先頭の田中広を左前打で出塁させたが、素早い一塁けん制で刺して1死。続く菊池涼は打ち取った当たりが三塁線ギリギリにとどまり内野安打になった。味方の失策も絡んで2死一、二塁としたが、5番坂倉を初球スライダーで二ゴロ。23球をかけて踏ん張った。

2回はわずか5球で3人を抑え、ここから3イニング連続で3者凡退とテンポに乗った。6回に菊池涼に先制適時打を許したが、7回無死一塁では代走上本を2度目のけん制で刺して、再びピンチの芽をつんだ。

9戦6勝だったマツダスタジアムで西勇の無敗はついに途絶えた。ただ、矢野監督は粘り強く投げた姿をねぎらった。「特に立ち上がりとか難しかったと思う。けん制アウトにしながらとか、その後も粘ってね。援護なかったっていうのはちょっと、申し訳ないけど」。7回2死からクロンに4球目を投じた直後、バランスを崩しマウンドに座り込む場面もあったが、指揮官は「多分大丈夫じゃないかなと。今のところの感じ。ちょっと滑ったんだけど」と説明した。

春季キャンプをぜんそくの症状で離脱し、初実戦は3月5日。それでもきっちり開幕に間に合わせるのは、さすがの調整力だ。次カードは本拠地甲子園での巨人戦。宿敵相手に今季初白星をつかむ。【磯綾乃】

◆今春の西勇 沖縄・宜野座キャンプを順調に過ごしていたが、ぜんそくの症状が出たため2月23日に途中離脱して帰阪した。3月3日に甲子園で行われた全体練習に合流。5日にソフトバンクとのオープン戦で今季初実戦登板し、2回無失点に抑えた。開幕投手は藤浪に譲ったが、10日の2軍教育リーグで4回無失点、16日のヤクルトとのオープン戦で5回2失点にまとめるなど開幕へ向けてペースを上げた。24日に四国IL・徳島との2軍練習試合で3回を投げ、最終調整を終えた。

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