確実にボディーブローをヒットさせ、聖地では難攻不落だった天敵に土をつけた。

阪神糸原健斗内野手(28)が「最高の形でしたね」と振り返ったのは0-0で迎えた3回裏だ。先頭の1番近本が四球で出塁。2番糸原は初球スライダーを計算ずくで引っ張った。ランエンドヒットを右前に決め、一、三塁に好機を広げる。さらに3番マルテの打席で二盗を仕掛け、捕手大城の悪送球を誘って先制点をもぎ取った。

「チームプレーはベンチもやってほしいことだと思う。1、2番でつなげて、というのができた。(盗塁は)行ける時に行くのがタイガース。行けると思って、思い切り走りました」

試合前の時点で畠の甲子園通算成績は計5試合11回1/3を投げて3勝0敗、被打率1割3分2厘で無失点。今季初盗塁でもぎ取った1点が畠の甲子園初失点だったことは「気にしていなかった」という。普段通りの泥臭いスタイルで「呪縛」を打ち破り、チームを4連勝に導いた。

勢いが止まらない。1回に左前打を放ち、開幕戦から11試合連続安打を達成。2点リードの4回2死一、三塁では2番手大江の代わりばな、初球ストレートでまたもランエンドヒットを成功させた。痛烈に二塁手左を抜く2点二塁打だ。

「あそこは積極的に仕掛けていこうと思っていた。狙い球を絞って、しっかり1球で振れて良かった」

3安打2打点の大暴れに充実感を漂わせた。

主将2年目だった昨季は7月に右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折し、連続試合出場が312でストップ。最終的に自己最少の63試合出場にとどまった。

「去年は自分自身、悔しい思いをしている。それをぶつけるという強い気持ちで臨んでいる。今年は絶対に勝ちたい。優勝したい」 糸原の並々ならぬ覚悟が、虎の開幕ダッシュを支えている。【佐井陽介】

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