楽天ドラフト1位の早川隆久投手(22)が、初顔合わせの王者相手に粘投した。

11日、楽天生命パークでのソフトバンク3回戦に先発。自己最多の109球を要しながら、5回2/3を6安打7奪三振1失点。打線の援護なく2敗目を喫したが、昨季のリーグ覇者相手に力を見せた。

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わずかなズレを捉えられた。4回表1死一、二塁。デスパイネをカウント1-2と追い込んだ5球目。打者の足元に“低く”とジェスチャーした捕手太田のミットを目がけ、カットボールで空振りを狙った。だが、やや高めに浮いた。スピンが利いた打球は、ジャンプする三塁手の上を越え左翼線へ。打線の援護を待ちながら耐えていた左腕が、先制の適時二塁打を許した。ただ、続く中村晃は二直で、二走デスパイネも飛び出し併殺。最少失点にしのいだ。

初黒星を喫した3日オリックス戦からの違いを見せた。投球の軸となる130キロ前半から後半の、曲がり幅が小さいカットボールとは異なり、「太田さんと話し合っていろいろと試しながら投げました」と、120キロ中盤で大きく曲がるスライダーを活用。前回登板は、76球中1球だけだったが、この日は109球中6球投げ、3回には周東を同じ球種で左飛に抑えた。縦に割れる110キロ後半のカーブも使い分け、引き出しの多さを見せた。

収穫があれば、課題も見つかった。前回登板は6回76球も、この日は5回2/3で109球を要した。「粘り強い打者が多いなと感じました」。追い込んでもファウルでかわされ、プレッシャーをかけられた。5回までに15球以下で終わったのは1度だけ。持ち前のテンポの良さを生かし切れなかった。

ただ、強打者ぞろいのソフトバンク打線相手に、最後まで崩れなかった。石井GM兼監督も「要所要所で球数を使いながら、彼らしいキレのあるボールでピンチを抑えてくれた。チームに勝つチャンスを与えてくれるピッチングはできていたと思います」とあらためて信頼を置いた。早川の次回登板は18日日本ハム戦(東京ドーム)が予想される。待望の2勝目へ「無駄なボールをなくして、次の登板以降、長いイニングを投げられるようにしていきたいです」と先を見据えた。【相沢孔志】

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