首位阪神で勢いに乗るドラフト6位ルーキー、中野拓夢内野手(24)。10日DeNA戦(横浜)では「8番遊撃」でプロ初先発し初打点&初盗塁をマーク。11日の同戦では、ともにプロ初のタイムリー&猛打賞でチームの3連勝に貢献した。

売り出し中の社会人出のルーキーは、日本人初のマスターズ制覇を成し遂げた松山英樹と同じ、東北福祉大出身。同大学時代には、その松山からアスリートのメンタルについて学んでいた。昨年の自主トレで明かされた“秘話”を、当時の紙面で振り返ります。(所属、年齢など当時)

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阪神ドラフト6位の三菱自動車岡崎・中野拓夢内野手(24)が16日、愛知・三菱大府グラウンドで自主トレを公開し、オンライン取材で東北福祉大の先輩であるプロゴルフの松山英樹からアスリート論を学んだと明かした。大学野球部の米国キャンプ中に現地にいた松山から話を聞く機会があり、心構えなどを教わった。「気持ちの面の話が多かった。これからの人生で必要なことだと思います」。世界を股にかける一流プレーヤーのメンタル論を、プロ生活に生かしていく。

プロ入りへ準備は進めている。寒空の下、約2時間半の練習ではキャッチボールや内野ノック、ロングティーなどで汗を流した。ノックでは従来使っているグラブと、一回りサイズの大きいグラブも試用。「小さい方が守りやすさや操作性もいいんですけど、これから打球もどんどん強くなる。そういった面でも、深いグラブの方がしっかりと打球が取れる」。2つを併用し、春季キャンプまでに使用するサイズを決める。

フィジカル面では、球団トレーナーから柔軟性を高めるよう指摘された肩周りのインナーマッスルを強化している。「投げる数が多くなってくると思うので、故障しないということも大事」。トレーナーから教わったメニューでプロ仕様に仕上げていく。

社会人出身で、即戦力の期待がかかる。矢野監督も中野の名前を出して内野手の競争を促しており、「アピールしないといけない立場。キャンプ初日から矢野監督にアピールできるように準備していきたい。まずは、開幕スタメンで出ることが一番近い目標。そこを取れれば必然と、新人王という結果は付いてくると思っている」。これまで「ショートで勝負したい」と語っており「世界の松山メンタル」も胸に、レギュラー争いに殴り込みをかける。(2020年12月17日付日刊スポーツ紙面より)