広島森下暢仁投手(23)が、侍ジャパンの稲葉篤紀監督(48)から最大級の評価をもらった。

先発予定だった13日の阪神戦(甲子園)に、稲葉監督が森下メインで現地視察に訪れていた。雨天のため中止となったが、2年目ながら抜群の安定感を誇る右腕の評価は高く、侍入りの有力候補に挙げられている。森下は14日の同戦でプロ初のスライドで先発する予定だ。

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森下の侍入りが現実味を帯びてきた。稲葉監督が「今日は森下投手が投げるので見に来ました」と、試合開始予定の約50分前に甲子園のスタンドに姿を現した。雨天中止で生チェックは持ち越しとなったが、「(森下は)トップチームの経験はないが、ああいう整った選手はジャパンに必要だなと楽しみにしていた。また機会を見て見に来たい」と期待を膨らませた。

ソフトバンク千賀が故障でオリンピック(五輪)出場が厳しくなり、先発構想の練り直しが急務。その中で、昨季新人王右腕に白羽の矢が立った模様だ。今季は2戦2勝で、計15イニングを投げいまだ無失点と抜群の安定感を誇る。稲葉監督は「制球力もそうだし、いろんな球種を持っているけど全て扱える。1つ悪くても違う球で勝負できる。先発としてゲームを作れる。自分から崩れるところがないのが評価しているところ」と絶賛した。

森下は高校3年時、大学では2年から日本代表に選出されるなど、各世代で“侍ロード”を歩んできた。プロ2年目ながらフル代表の有力候補に名を連ねている。稲葉監督の視察を「知らなかった」という右腕は「候補に選んでいただいているのは光栄です。あまりそこは意識せず、まずはシーズンに集中して頑張っていきたいです」と話した。

試合は雨で流れ、14日の阪神戦にプロ初のスライドで先発することになった。「(スライドは)気にしていません。どういう状況であろうが、自分の投球をするだけです」と引き締めた。チームが苦手とする阪神先発の西勇もスライドで先発する予定。佐々岡監督は「前回(3月30日)勝ったけど、1点しか取れていない。好調な阪神をなんとか止めないといけない」と力を込めた。森下が快投で勝利を導き、侍入りもグイッと引き寄せる。【古財稜明】

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