あちゃー。阪神佐藤輝明内野手(22)が痛恨失策で今季初3連敗の要因を作ってしまった。大山のソロで2点差に迫った直後の5回1死満塁。神里の右前打にチャージしたがまさかの後逸。打者走者の神里まで生還させてしまう一挙4失点で勝負は決した。プロ初失策が珍失策とはこれも大物たるゆえん? だが直前には馬場の悪送球もあり、セ最多の16失策。3年連続12球団最多失策した昨季までに似た敗戦シーンに、甲子園はため息に包まれた。

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プロ初失策は衝撃の後逸だった。2点ビハインドの5回1死満塁。右翼の佐藤輝は7番神里の一、二塁間をゴロで破る右前適時打に猛チャージした。だが強肩で2人目の走者を刺すつもりが、グラブの下を打球がスルリ。まさかの後逸で、白球はフェンスまで転がり、追いかけた佐藤輝が拾って返球した時には神里まで生還していた。一挙4失点で1-7。勝敗はほぼ決してしまった。

直前の5回1死一塁では、2番手馬場が投ゴロで併殺を狙ったが二塁に悪送球。ピンチを広げていた。馬場が併殺を取っていれば佐藤輝のミスもなかった。だが矢野監督は「プロとしては恥ずかしいプレー。どっちも。馬場にしても(佐藤)輝にしても。リズムが悪いとか言い訳にしているようじゃあまりにもレベルが低い」とバッサリだ。

この日の2失策で今季の失策はリーグワーストの16。3年連続12球団最多失策チームが、昨年までと似た姿になってきた。2回には一塁走者の坂本が、近本の中堅へのライナーで飛び出し、戻れず併殺になる走塁ミスも痛かった。10連敗中だったDeNAに完敗し、今季初の3連敗。2位巨人が勝ったためゲーム差は1に迫られた。

矢野監督は「もちろん、若い選手というのはミスがあって…。俺もミスしてきたし。その中からどう成長したり、練習したり、どういう心構えで試合に臨むかというのを学んでいって成長してくれないと」と、佐藤輝にこの経験をプラスにすることを望んだ。

外野席の虎党からは「代われ!」「明日からロハス上げろ!」と佐藤輝に向かって厳しいヤジも飛んだ。5回の打席では珍しく中途半端な空振りをするなど、打撃でもこれまでには見せなかった姿を見せた。それでも9回には中堅フェンス直撃の二塁打を放つなど、最後まで全力プレーを続けた。矢野監督は「プロだからね、やり返せるチャンスはある」と、話すように挽回する機会は十分にある。試合後にはベンチで筒井外野守備走塁コーチが佐藤輝に指導する場面もあった。貯金9の首位。慌ててはいけない。苦い1敗を糧に、まずは連敗ストップといきたい。【石橋隆雄】

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