お母さん、勝てたよ! 西武の2年目右腕、上間永遠(とわ)投手(20)がプロ初勝利を挙げた。

5回を5安打無四球で1失点。女手ひとつで育ててくれた母多美子さん(41)が沖縄からテレビで声援を送る中、チームの連敗を6で止める大きな白星。初のお立ち台では「まずは気持ちで負けないようにと思って投げました。すごくうれしいです」と初々しく喜んだ。

あどけなさの残る顔立ちだが“物おじしない”という首脳陣の評価の通り、堂々とロッテ打線に立ち向かった。3回に1点を先制され、なお1死一、三塁。中村奨を得意のカットボールで投ゴロ併殺に仕留めてリズムに乗った。味方が逆転して迎えた5回には「5回が最後のイニングになったとしても悔いが残らないよう全力で投げました」とギアを上げ、売り出し中の7番山口を空振り三振。続く藤岡、柿沼をキッチリと仕留めてみせた。

初登板だった8日、本拠地に駆けつけた母に初勝利を届けることができなかった。多美子さんは「よく動じないと言われますが、本当は緊張しているんだと思います」と見抜く。そこから1カ月とたたず親孝行を果たした右腕。記念のウイニングボールについて問われると「お母さんにあげたいと思います」と笑顔。「1つ恩返しができたかなと思います」と喜んだ。

名前の永遠(とわ)には「何事も続くように」という願いが込められている。「今日だけじゃなく、これからもいいピッチングを続けていきたい」。永遠に続く活躍へ、確かな一歩を踏み出した。【鈴木正章】

▽西武辻監督(上間の好投で連敗ストップ) (3回)併殺打で1点で終わったところが大きかったかな。ほんと頑張ったよね。

▽西武平良(先発上間と同じ沖縄出身。1回を無失点) 上間の初勝利がかかっていたので、0点に抑えたいと思っていました。ホッとしています。

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