かつての庭で、虎の窮地を新助っ人左腕が救った。阪神チェン・ウェイン投手(35)がロッテから移籍後初登板の中日戦(バンテリンドーム)で6回5安打1失点と好投。古巣相手にシーズンでは11年10月2日阪神戦以来、3497日ぶりのNPB勝利を挙げた。中日時代に同球場で18勝7敗と高勝率を誇った左腕の奮闘で、チームは同一カード3連敗の危機を回避。今季デーゲームで無傷の10連勝と必勝神話も継続した。

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ヒーローの勇姿は故郷にも届いている。この日チェンが登板することは、台湾のテレビや新聞でも話題になっていたという。元南海の選手で、チェンの母校・高苑工商のリ・ライファ監督(64)も「知っています」と話す。04年のアテネ五輪では台湾代表のコーチとして、ともに戦った。

大リーグでプレーしていた間、毎年チェンは熱烈な歓迎を受けていた。「チェンさんがアメリカにいる頃、台湾に帰る時は、毎年空港で出迎えました」。高苑工商の選手たちは、高雄から台北までバスで約5時間かけて、空港で凱旋(がいせん)を待っていた。

「永」「遠」「支」「持」…。ピンクや黄色、後輩たちが1文字ずつ掲げるハート形の色紙には「チェン先輩、ずっと応援します」のメッセージ。白と緑の「高苑」のユニホームに身を包んだ未来のプロ野球選手たちは、りりしい先輩の姿にあこがれたはず。海を越えて、チェンは今も熱いエールをもらっている。【阪神担当=磯綾乃】

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