亜大が、3投手の継投で完封勝利した。

先発の青山美夏人投手(3年=横浜隼人)が今季初登板も、初回から制球が定まらず4安打1死球と苦しい投球に。その悪い流れを、3回からマウンドに上がった市川大晴投手(2年=常葉大橘)がストライク先行の安定した投球でピシャリと断ち切った。市川は「後ろに松本健吾さんが控えていたので、打たれるのは仕方ない。開き直り思い切っていこうと思った」と、持ち味のムービングボールを投げ込み、打たせてとった。4回を投げ2安打無失点。リーグ戦3試合目の登板にして初勝利を挙げた。

生田勉監督(54)は「市川の真っすぐは動く。同じボールがないのが特長」と分析。カットを投げたと思えば真っすぐに。真っすぐがカットに、と微妙に動く球で、打者を翻弄(ほんろう)。オープン戦でも、社会人野球の打者がスイングにならなかったという。「市川は計算できる」と、生田監督の大きな期待に、見事に応えた。

憧れの先輩を追い掛ける。亜大の先輩、阪神高橋遥人投手とは同じ地元で、小学校時代は「西奈少年野球スポーツ少年団」、高校は常葉大橘。そして亜大と同じ道を歩んできた。「いつも、遥人さんの背中を追いかけてきました」と胸を張る。現在の最速は148キロ。高橋の大学最速151キロ、そしてドラフトへ。市川の夢はますます広がる。

なお、負けた青学大は4勝6敗で優勝の可能性が消えた。

▽亜大・生田勉監督(市川投手の好投に) 独特の動く球を投げられる。経験がなかっただけで、よく期待に応えてくれた。これからもチャンスをあげたい。