伝統を継承し、名勝負を紡いでいく。15日の巨人-阪神戦(東京ドーム)で「伝統の一戦」は2000試合目を迎える。82年4月18日の1000試合目では決勝3ランで勝利に導いた巨人原辰徳監督は「本当にたくさんある」と枚挙にいとまがない思い出を回想した。

甲子園での一戦は特別だった。現役時は、プロ野球の人気と実力を二分していた時代。阪神ファンからは目の敵にされた。それも認められた証しと時に笑顔でかえした。「あの球場で一人前の堂々としたプレーができれば、どこの球場に行ってもできるという教育は受けた。藤田さん(藤田元司元監督)とか牧野さん(牧野茂元コーチ)。人を育てる球場であったことは間違いない」。スコアボードに上下で並ぶ「4番掛布」の文字にも刺激を受けた。選手もファンもライバルとしのぎを削った日々が、自身の血肉になったと感謝する。

指揮官となり、伝統の一戦の重みをさらに実感する出来事があった。15年夏の甲子園、前年に死去した父貢氏が受賞した高校野球の「育成功労賞」表彰式に代理で出席。「こんなに温かい球場なんだ」と感じた。「雰囲気が高校野球とガラッと変わる。そこがまた巨人阪神の重さのような気もする」。今回の節目の舞台となる東京ドームでも、伝統の重みをかみしめながら指揮を執る。【浜本卓也】

巨人-阪神15日に通算2000試合 歴代キャップのベストゲーム―>

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