ロッテ佐々木朗希投手(19)が16日、西武戦(ZOZOマリン)でついに1軍デビューする。先発で、井口資仁監督(46)によれば「100球以内でしょうね、前回の球数を考えると。85~90球前後で」というマウンドになりそうだ。

2軍では球数の少なさが際立った。1日の巨人戦では6回65球という驚きの投球だった。ストライク率は約73パーセント。もちろん1、2軍での打者のレベル差はあるものの、今季は1軍の先発陣でも6回を60球台で終えた投手はいない。

オープン戦なども含めて、今季はここまで実戦で323球を投げた。うち230球を占める直球の比率は約71・2パーセント。大船渡高3年時の公開された対外試合のうち、記者が現地取材した15試合では、これが約51・2パーセントだった。もちろんトーナメントとリーグ戦の特性の違い、相手の戦力差など一概に比較はできないものの、直球の比率を増やした上でストライク率を高め、防御率0・45という数字を残している。

変化球はここまでフォーク、スライダーの2種に絞っている。フォークが約7割、スライダーが3割。プロ入りを控えた19年冬に「スライダーとフォークをしっかり磨いて、どんなバッターにも通用するような球にしたいなと思っています」と見すえていたように、握りも含めて試行錯誤しながら作り上げてきた。

高3時は変化球のうち、スライダーが6割以上を占めていた。大きく離れてチェンジアップ、カーブ、フォークが続いた。4月に163キロを出した後にカーブとチェンジアップを増やした。仙台育英(宮城)や佐久長聖(長野)といった強豪との練習試合でも緩めの変化球が主体だった。

「スライダーって割とヒジに負担が来る球で、夏の大会までなるべく投げないようにして、いろいろ調整しながら、力感も減らしていたので」と後に明かした。カーブとチェンジアップは、今はもう投げている様子がない。140キロ台も計測するようになった2種と直球で組み立てる。

直球は今季、151キロから153キロの球速帯が多く、コンスタントに計測しながら有利なカウントを作っている。初の1軍相手で、しかも山賊打線の異名をとる強力な西武打線。ギアを上げるか、作り上げてきたことを貫くか。たとえまだ160キロ台が出なくても、その球速表示に思いが乗るマウンドになる。【金子真仁】