ラストチャンスをものにする。球団外国人野手ワーストの来日初打席から20打席連続無安打の阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)が17日、甲子園室内練習場で助っ人では異例の休日返上で練習した。

置きティー、マシン打撃と左右両打席で40分、黙々と打ち込んだ。昨年から練習で使用する、体の中心で打つことなどを確認するための長方形の板を軸足部分に置くなど不振脱出のヒントをつかもうと必死だった。ここまで5試合に出場。左打席14打席で1四球、右打席で二ゴロの間に1打点を記録しているが、昨年韓国で47本塁打、135打点で2冠王とMVPを獲得した本来の力とはほど遠い状態だ。矢野監督は「今はもちろんよくないわけで、火曜日(18日)以降もよくないのであれば考えることも出てくる」と結果次第で2軍再調整を命じることを示唆した。

ロハスはコロナ禍で来日が4月4日と遅れた。ファームでは実戦10試合3本塁打を放ち、5月8日に昇格。しかし春季キャンプ、オープン戦をこなしてきたサンズ、マルテのように急に状態を上げることは難しい。近年の助っ人で、故障以外でのシーズン中の休日返上は17年のロジャースがいる。同年9月4日に、甲子園室内でマシン打撃などで汗を流している。「パンダ砲」と親しまれた助っ人は7月の途中入団だった。

16日の巨人戦ではアルカンタラの先発により外国人枠のためベンチを外れた。代わって6番右翼で出場した陽川が決勝2号2ラン。ベテラン糸井も元気なだけに、ロハスに与えられたチャンスは少ない。矢野監督も「あいつ自身がつかみ取っていくもの」とハッパをかけた。土壇場で本領を発揮するか。期待の新助っ人が18日からのヤクルト戦(甲子園)で早くも正念場を迎える。【石橋隆雄】