交流戦がコロナ禍で特別ルールを強いられる。6月17日までに全日程が消化していない場合、同日終了時点の勝率1位を優勝とすることがNPBの実行委員会で承認された。15試合以上を消化、かつ勝率5割以上が条件。ただし15試合に満たない球団でも未消化試合を負け数として加算した勝率が1位なら優勝となる。

例えば14戦全勝で17日を終えた場合、未消化分の4試合を負けとして数え、14勝4敗。条件をクリアしている他球団の勝率を上回れば1位となる。1球団も条件を満たす球団がない場合は全球団が未消化数を負け数と計算し、その勝率によって優勝球団を決定する。 過去15回で日程を消化できなかったことはなく、今年も予備日が14日から4日間、確保されている。ただ例年、梅雨の時季に行われることに加えて、コロナ禍と、日程消化への不安材料が増した。

今月に入り、大量の感染者が出た日本ハムが4試合、広島も現在まで3試合連続で延期に追い込まれた。交流戦優勝は交流戦中に決定する必要があり、今後、他球団に感染拡大が起きた時には予備日までに日程が消化できずに、従来の規定では優勝が決まらないことも想定された。

今回の広島のケースとは別に、以前から12球団内で話し合われていたという。セ・リーグの杵渕統括は「(天候不良などで)これまでの15年間の中でもどこかで、起こり得ることであったかとも思います」と話した。2位以下は17日終了時点の勝率によって決定。期間内に消化できなかった試合は交流戦後のシーズン内に組み込まれるが、交流戦の順位には反映されない。

<交流戦の主な要項>

◆18試合制 各チーム18試合(1カード3連戦)。各カードのホーム、ビジターは隔年で入れ替えて行う(今回は昨年が中止のため、19年と逆のホームで実施)。

◆優勝 勝率1位を優勝とする。賞金は3000万円。同率で並んだ場合は勝利数、直接対戦成績、得失点率などで順位を決定。

◆開催期限 6月17日までに全日程を消化しない場合、同日終了時点の勝率1位を優勝とする。この場合は15試合以上を消化し、かつ勝率5割以上が条件。15試合に満たない球団でも、未消化試合を負け数として加算した勝率が1位なら優勝となる。

◆表彰 12球団から最も活躍した選手1人をMVPとして選ぶ(賞金200万円)。また、両リーグから1人ずつ日本生命賞(賞金100万円)を選出。

◆予告先発 採用。

◆指名打者制 パ・リーグ球団の主催試合で実施。