ルートインBCリーグの昨季王者・神奈川フューチャードリームスが、強力打線で巻き返しを狙う。

17試合を終えて7勝8敗で東地区4位。昨年、参入初年度で初優勝を経験した主力が残っており、選手層は厚い。元横浜(現DeNA)の鈴木尚典監督(49)は「どうやったら1点が取れるか、選手と一緒に考えながらやっている。まだ本来のチーム状態にはなっていない。これから投打の歯車がかみ合えば、どんどん上に行けると思う」と話した。

打線のキーマンになるのは、昨年からプロ注目で主軸を任されている牧田龍輝内野手(23)。打撃が持ち味だが、今季は開幕から3試合で無安打。4試合目にようやく内野安打を1本放った。「(状態が)悪かったですね…」と明かした。

オフには、長打力をアップさせようと打席での重心の位置を試行錯誤した。考えすぎたことで本来の持ち味であったミート力が薄れ、内野ゴロばかり。「全く違うことを考えてしまい、自分の良さが消えてしまった」と振り返る。今まではあまり見ていなかった自身の動画をチェックしたことで「やりたかったこととズレている」と気づけたという。

昨季までと同じ意識で打席に入るようになり、ここまで全17試合に出場して打率を2割9分7厘まで戻した。「自分の状態が上がってくれば、チームは勝てる。モヤモヤは、バットでしか切り開けない。あんまり言わないですけど、3番を打っている自覚と責任を持って、戦っています」と前を向いてる。

得点パターンは、昨季から不動の1番に座る青木颯内野手(25)の出塁から始まる。「僕が出塁すれば、得点力が上がる。3~5番が打てば、勝てるチーム。そのチャンスを作れればと思っています」と自分の役割を理解する。

指標にしているのは「2回に1回は出塁」。今季17試合に出場し、打率は3割3分3厘。四死球は19個とチーム内で最多だ。なんとしても出塁するという気持ちが数字にも出ている。「僕は(チームの)踏み台でかまわないと思っています。3、4、5番にヒーローになってもらえればいい。塁に出て、ヒットで帰ってくるのが僕の仕事です」と明かした。

鈴木監督からの期待の高さは、しっかり受け止めている。「『お前がいてくれて良かった』と言われるように。期待に応えられるようにしたいです」。目の前の1勝、1点を奪うために、出塁にこだわる。