日本ハム池田隆英投手(26)が、「日本生命セ・パ交流戦」のDeNA戦(札幌ドーム)で、本拠地初勝利を挙げた。2回以降は毎回走者を背負うも、5回2/3を投げ5安打1失点にまとめた。自身6試合ぶりの白星で、チームの連敗を4で止めた。

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池田は少し声を上ずらせ、喜びに浸った。今年2月に楽天から交換トレードで加入し、札幌ドームでの登板3試合目。待望のヒーローインタビューに、笑いが止まらなかった。「本っ当に、うれしいですね!」と声を張り上げた。ともにヒーローになった女房役、石川亮のバットでの貢献に「偶然の産物だなと思って!」とジョークも交え「2人で勝利に導けて、本当に良かった」とかみしめた。

柔和な表情を険しくし、試合の分岐点とにらんだ。3点リードの6回。3番佐野からのクリーンナップに対し、丹念に内外角を突いた。オースティンには外角低めのスライダーで空振り三振。直球を軸に必死に援護点を守ろうとしたが、2死満塁で大和に失点。直後の降板に「めちゃ悔しい」と顔をしかめたが、球場からは健闘をたたえる拍手が注がれた。

2番手河野が火消しに成功。池田は5回2/3を投げ5安打1失点にまとめた。5月30日、河野の23歳の誕生日にはドルチェアンドガッバーナの香水をプレゼント。選んだ理由は「(池田自身が)香水っていう曲ばっかり聴いていた」と笑った。河野からはこの日、マウンドでお返ししてもらった。

切望していた勝利に向かって、踏ん張った。4月22日ロッテ戦以来、登板6試合ぶり勝利。チームの連敗を「4」で止めた。苦しいチーム状況を痛感しており、数日前には栗山監督の元に歩み寄り「本当に、体に気を付けて下さいね」と声を掛けるなど、周囲への気配りを忘れない。上沢からイニング間のキャッチボールの球数を減らし、長い回を投げられるように助言を受け、取り入れようとするなど、貪欲さも持ち合わせる。

「1勝の重みを、すごく感じています」。価値ある白星を手に、新天地での飛躍につなげる。【田中彩友美】